3月1日(火)、東海大学山形高等学校の第44回卒業証書授与式が挙行された。
コロナ禍に入り3度目の卒業式、昨年同様の参列者の制限の中で、感染防止対策を徹底した中で行われたのである。
本来であれば、東海山形学園関係者、東海大山形同窓会や東海大学関係者、地域の皆さんなど、多くのご来賓のご臨席を賜り開催するところであるが、コロナ禍の為、出席者数を制限させていただく。
PTAの方々にも、各家庭1名の出席者という心苦しい願いをご理解いただく。
万が一に備えて、全員が座る場所も指定させていただいた。
その様な中、卒業生328名に対し、岡田恵子校長より卒業証書が授与されたのである。
それでも、ほぼ全員の保護者の皆さんがご臨席くださり、卒業生の旅立ちの時を見守って頂いたのである。
コロナ禍の3年間、会場には、ブラスバンド部による生演奏は無くなり、音源にて「建学の歌」と「校歌」が流れる。
担任の先生が一人一人の名前を呼び、その場に起立する。
3年前の入学式に比べると、皆、凛々しい顔となり、その成長を感じる。
岡田恵子校長からの挨拶では、卒業生、PTA、保護者の皆さんに対し、お祝いの言葉が述べられた。
また、ロシアとウクライナの戦争に触れ、東海大学山形高等学校の教育理念の根本にある「平和教育」について話される。
自分からも、命の大切さや平和教育、また、それぞれの違いを個性ととらえるインクルージョンの理念について話し、単一解や画一解に囚われずに複数解を認める力の多様性について述べた。
また、祝辞のあと、一言話をする。
自分が二十歳の時、一冊の本と出会ったこと。
それは、羅貫中の「三國志演義」であり、それを読んだ時の興奮した思いを本の裏に記す。
「志は時経てば史となり、史は時経てば志となる」
若い時に「志し」を立てて、しっかり人生を歩んで欲しいとエールを送った。
在校生代表の田子純成君の送辞は、とても思いが伝わる立派な挨拶だった。
そのあと、卒業生代表として答辞に立った吉田あいなさんは、心情が籠った素晴らしいメッセージを放ったのである。
両親に対する感謝の言葉には、とても感動した。
そして、いざ、旅立ちの時。
学舎を後に、未来に伸びていく若竹の心。
仰げば尊し、我が師の恩。
家族の海よりも深い愛情が溢れ落ちる。
その3つが交差し、卒業生にとっては、忘れえぬ時間となったに違いないと思った。
卒業式は、いつの時も、喜びと共に、少しの寂しさを感じる。
卒業生におかれては、自分らしく、自分だけの花を咲かせて欲しい。
君たちの物語は、始まったばかりなのだから。
外に出ると、先程のちょっとした寂しさを吹っ飛ばすくらいの、はち切れんばかりの喜びの笑顔が、至る所にあったのである。
部活メンバーで集まったり、クラスメイトと記念撮影をしたり…。