1月11日(火)、昨年11月に開催された山形国際ムービーフェスティバル(YMF 2021)でグランプリを受賞したGAZEBO監督が、スカラシップ作品のアイディアを持ってダイバーシティメディアに来社した。
山形国際ムービーフェスティバルの大きな特徴は、グランプリ受賞監督には、最大で1億円のスカラシップ資金(製作費・P&A)により、映画製作にチャレンジできる権利が与えられる。
グランプリ受賞監督が、スカラシップ作品の企画書を提出し、審査委員会のプロデューサーや運営委員会が審査し、その後の製作や宣伝もバックアップする仕組みである。
通常は、メールや郵送で企画書が提出されるのだが、GAZEBO監督は、どうしても持ち込んで直接企画を説明したいとのことで、この日、来社しての打ち合わせとなった。
GAZEBO監督の作品は、とても斬新であり、一方で人間味溢れる物語を作り、2年連続で準グランプリ、グランプリを受賞した稀有な存在となったのである。
一昨年の第16回山形国際ムービーフェスティバル準グランプリ作品は「Vチューバ―渚」
バーチャルユーチューバーでアイドルを目指す女性の、様々な奮闘や葛藤を描いた新感覚の作品。
昨年の第17回山形国際ムービーフェスティバルグランプリ作品は「AIM(エイム)」
10年前に母を亡くしてから、ずっと引きこもりニートになってしまった23歳の舞。
一人だけの家族の父親は、心配のあまり、ネットにアドバイスを求める。
父と娘の「価値観の重なる部分で理解し合う」ことで自分の世界が広がる…その瞬間を描きたいとのことであった。
GAZEBO監督は、1978年・静岡県生まれの東京都在住。
これまで、助監督・美術塗装スタッフ・制作などを経て、今は広告映像・MVなどの演出をしている。
山形県庄内地区がロケ地となった、映画「蝉しぐれ」の美術制作が初めて映画に関わった仕事。
3ヶ月間、鶴岡市のオープンセットに寝泊まりしていた。
その時に出会った山形の方々の優しさが忘れられないと、受賞の挨拶で話していた。
今回の打ち合わせの為に、審査委員であり、ザフール社長で、数々の映画のプロデューサーとして活躍している古賀俊輔さんが、山形入りしてくださった。
古賀さんは、2014年のグランプリ監督の山本亜希さんのスカラシップ作品の企画も手がけてくださっている。
スカラシップ作品は、長編映画。
審査委員や運営委員会の第一線で活躍するプロデューサーが、企画書を吟味する。
これまでインディーズ作品を手掛けてきた若手監督たちは、なかなか長編映画の企画には、手こずるようである。
この7、8年で、長編映画に行けそうな企画書は、まだ数えるほどしかない。
それだけに、今回のGAZEBO監督への期待は高まるのである。
YMF山形国際ムービーフェスティバルは、グランプリ受賞や入賞が終着点ではなく、そこから次の道が始まるのである。
是非、GAZEBO監督におかれては、何度も何度も作品をブラシュアップし、時代を牽引する作品を作ってもらいたい。
GAZEBO監督は、「直接会ったことで、様々な可能性を感じる」と話していた。
きっと、そのセンスが、彼の素晴らしさに通じるものなのだと思ったのである。
この日の企画が、どの様に成長するか、とても楽しみである。