昨年の後半、とても面白いドラマと出会った。
WOWOWの30分ドラマ「前科者」である。
自分は、WOWOWの土曜日と日曜日の午後10時のドラマWは、大好きで全て見ている。
「前科者」は、その時間帯ではなかったが、WOWOWのドラマとしては珍しく30分で、有村架純が主演であり、なんとなく引っかかった。
「そして、生きる」も、「有村架純の撮休」も、とても良いドラマであり、見る前から興味が芽生えたのである。
いざ、見てみると、これが面白い!
確か、ビッグコミック・オリジナルに連載されていたなと思っていたが、これが、素晴らしい物語になっていたのだ。
有村架純の、これまでとは違う、けしてオシャレとは言えない女性で、真面目一辺倒のボランティア国家公務員の保護士の役柄。
しばらくすると、このドラマが映画になると言う。
監督は、山形県最上町出身の、岸善幸氏である。
新庄北高出身である。
製作に名を連ねるのは、こちらも山形県山形市出身、山形南高出身のWOWOW石垣裕之氏である。
彼は、山形国際ムービーフェスティバルの審査委員も務めておられる。
1月18日(火)、岸監督が、映画「前科者」のキャンペーンに、故郷の山形入りをし、各映画館で舞台挨拶と上映会を行った。
「未来に、寄り添い続ける。」
「過去を乗り越えて、日常を取り戻す。」
犯罪の前科がある人が、社会復帰する際、様々な心の動きや、感情の折り合いがあり、最初の時点で受け止めて支えるのが保護司、国家公務員である。
無報酬である為、ボランティアと言ってもいい。
ドラマでは、何人もの前科者と、保護司である有村架純演じる阿川佳代との、ぶつかり合い、すれ違い、そして寄り添い続ける姿が描かれる。
映画「前科者」の前科者役は、森田剛が熱演し、有村架純との物語は、観る人の心を惹きつけるに違いない。
岸監督が舞台挨拶に立つ。
鈴木淳予アナウンサーが、「おかえりなさい」と監督を迎えた。
えっ!有村架純が、前科者を迎える時の挨拶を被せたのかな?と思った。
監督は、照れながら、「ただいま」と答えられた。
山形でも稀に見る大雪の中、ご来場頂いた皆さんへは、心より感謝と御礼を申し上げる。
キャスティングは、第一希望の有村架純さんと、森田剛さんに、ダメ元でオファーしたとのこと。
それが、運良く、快諾していただき、撮影中は、予想を超えた演技で、感激したとのこと。
主演のお二人だけではなく、リリーフランキーさんや、宇野翔平さんなど、素晴らしい役者さん達であり、そんな作品の中で、一緒に映画を作る幸せを噛み締めていたそうである。
有村架純さんにとっても、これまでのヒロイン役とはまるで違う役を、期待以上にこなされていて、やはり実力のある女優さんであると確信したとも。
ある場面の、有村さんと森田さんの長回しのシーンは、スタッフ全員がとても緊張した、この映画製作の醍醐味だったと。
見どころ満載の映画となっている。
ムービーオンの一角に、「前科者」の作品コーナーを作っている。
映画の見どころの説明や、映画をご覧いただいたお客様が感想を書き込むホワイトボードもある。
そこに、岸監督も、メッセージを書かれていた。
数時間後、ホワイトボードには、映画を観たお客様のメッセージがあった。
皆さんの思いが感じられた。
山形出身の監督と知らなかった方もいらっしゃった。
映画「前科者」は、1月28日(金)に全国一斉公開である。
是非、劇場でご覧いただきたい。
今回は、WOWOWさんと、日活さんの共同でのキャンペーンである。
岸監督には、是非、改めて今年のYMF山形国際ムービーフェスティバルに、オファーしたいと思った。
山形出身の監督として、いろんな話をしてほしいと思ったのである。
2019年の山形国際ムービーフェスティバルには、有村架純さんが、これもWOWOWの映画「そして、生きる」のキャンペーンで、月川翔監督とムービーオンへご来場いただき、舞台挨拶をしてくださった。
素敵な佇まいと、存在感がある女優さんであった。
舞台挨拶での言葉やメッセージも力強く感じた。
岸監督が仰るように、三十代に突入する直前にこの作品と出会って、きっと女優としての幅を広げたと自分も思った。
恋するヒロイン役から、性格俳優への素養を感じる作品である。