今、ムービーオンで上映している三浦春馬さん主演の映画「天外者」
幕末から明治維新の激動の時代を生き抜いた若者達の熱量が、スクリーンから放たれる。
天外者…てんがらもんとは、凄絶な才能の持ち主という薩摩での褒め言葉。
薩摩の母達は、利口で感心な子ども達を、愛情を持って「天外者」と呼んだそうである。
幕末の名君である島津斉彬は、五代友厚(幼名・徳助)の卓越した才能を認めて「才助」と呼んだ。
三浦春馬演じる五代友厚は、風雲児・坂本龍馬、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎、初代の総理大臣・伊藤博文と交わりながら、商都・大阪の基礎を築くのである。
彼らは、皆、薩摩、土佐、長州の貧しい若者であった。
そんな彼らの教養と熱量が、新しい時代を創っていくのである。
女優の森川葵も、遊郭に売られた遊女・はるを熱演。
「外の世界を見たい。字を覚えたい。」と徳助に訴える。
多くのファンが、彼の死を悼み、悲しみが日本中を包んだ。
行定勲監督作品の「真夜中の五分前」では、中国の過酷なロケ環境の中でも、真摯に役づくりに向かい合った。
「春馬は、何にでもストイックに取り組み、完璧主義で真面目過ぎる性格であり、なんでもできてしまう役者」と話していた。
田中光敏監督は、三浦春馬が熱心に役づくりをしてくれたことを賞賛し、この「天外者」を皆で一生懸命作り上げた作品と自負している。
エンドロール後にメイキングの映像が映し出されるが、「三浦春馬」の生きた証を上映しているようで、心が揺さぶられたのである。
是非、ご覧いただきたい。