長い夜が、やっと明けた。
パスラボ山形ワイヴァンズは、今シーズン6連敗で迎えたバンビシャス奈良戦。
71対54で初勝利は果たしたのである。
山形県南陽市民体育館で行われた三陽製作所プレゼンツの冠試合。
南陽市では、NBDL時代からBリーグまでの7年間、毎年伺って2試合を行っている。
南陽市にて長年バスケットボールの普及と育成に尽力された三陽製作所の和田社長が、パスラボ山形ワイヴァンズの取締役に就任され、毎年必ず南陽市でプロの試合を子どもたちに見せて欲しいとの要望を受けて、ホームアリーナ以外では、唯一の毎年開催を続けてきた。
南陽市の体育協会の皆さん、バスケットボール協会の皆さんからも大変お世話になっているのだ。
冠スポンサーの三陽製作所の和田社長からも、歓迎の挨拶を賜る。
和田社長の言葉で、置賜地区の皆さんから見てほしいと仰っていたのが、とても印象的であった。
ソーシャルディスタンスで、例年の半分しか入場できないが、この日は500人を超える人が御入場くださる。
アンセムに勝利を願う。
この日初めて合流した、ランス・グルボーンと、スクーティーことアンドリュー・ランダルも、初体験だろう。
試合の出だしは、互角であり、とても見応えがあった試合となった。
新加入のスクーティーとランスが、山形初試合の中、大活躍であった。
オフェンスに加えて、ディフェンスまでも、ここまで一生懸命やってくれる外国籍選手は、これまであまりいなかったと思う。
また、中島と柳川の両選手の好調も続いている。
そして、この日1番の大活躍は、新号健選手であった。
とにかく足が止まらない。
多くのブースターに感動を与えてくれた。
新号選手はこの日14得点。
点数だけを取りに行っている訳ではなく、チームプレーに徹した中での得点であった。
今シーズン、いつかはきっとライコビッチのバスケットを見たいと思っていたが、キャスティングが揃ってきた日にその姿を見ることができた。
就任時のミーティングで、ライコビッチは「すぐ勝ち切れるチームではなく、少しずつポテンシャルを上げ、時間をかけてチームバスケットを浸透させる。この選手達であれば、必ず強いチームになる!」と言っていた。
「西宮の時、シーズン前半は負け越し、後半はリーグ1位の70%を超える勝率。あんな感じだね。」と言ったら、「その通りです。」と話していた。
腰を落ち着けて、ライコビッチのチームバスケットを見続けていきたいと、あの一喜一憂していた自分が思うほどの信頼があったのである。
熱すぎる指揮官であり、言葉も強い。
タブーなしで、様々な事を何度も話し合い、信頼が増していった。ワイヴァンズチアも、今年は新メンバーが大勢参加している。
今日も、会場を一生懸命盛り上げてくれていた。
昨シーズンから、勝ち慣れていないので、20点差になっても、逆転されるかもしれないとの不安を感じていた。
まさに、「祈る」気持ちでいっぱいであった。
キースが揃えば、どんなチームになるのだろうか…。
そんな大いなる期待を持って、明日も最高のゲームであることを、楽しみにしている。