「ダンケルク」「インターステラー」「バットマンビギンズ」「ダークナイト」「ダークナイトライジング」「インセプション」など、数多くのヒット作品を手がけた稀代の名監督クリストファー・ノーラン。
今年、2020年3月21日、彼はワシントン・ポスト紙に寄稿文を書いた。
…映画館は闇に包まれてしまった。だが、映画がその価値を失うことはない。
この危機を乗り越えた時、人々の集まりたいという想いや、ともに生き、愛し、笑い、泣きたいという願いは、かつてないほど強くなるだろう。
映画館はそのすべてを、私たちにもたらしてくれる。
私たちには映画が必要なのである。
満席の観客で賑わうウクライナのオペラハウスで、テロ事件が勃発。
罪もない人々の大量虐殺を阻止するべく、特殊部隊が館内に突入する。
部隊に参加していた名もなき男(ジョン・デイビッド・ワシントン)は、あるミッションを命じられる。
ミッションのキーワードは「TENET」
人類がずっと信じ続けてきた「時間のルール」から脱出すること。
時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、過去、現在、未来と、一方向に進む時間の概念を覆し、第三次世界大戦を止めるのである。
未来では、「時間の逆行」と呼ばれる装置が開発され、人や物が過去へと移動できる。
時間の秘密を知る男との、スリリングな対決。
圧巻の映像と、世界7ヵ国で撮影されたスケール感は、自分たちを飲み込む。
映画を観て、少し進んだ時、ほとんどの人が、「ちょっと待って!考えさせて。」と思うほどの展開の速さと難解な物語の構造。
しかし、瞬間瞬間に、ノーランの凄みのある圧巻の映像が、自分達を「TENET」へ没入させていくのだ。
映画に何ができて、どこに連れて行けるのか…その可能性を感じてもらいたい。
SFとスパイ映画、そして、映画そのもののレゾンデートル(フランス哲学用語…存在意義・存在理由)を証明した様な映画に感じた。
映画の凄さと深さを、間違いなく感じる映画「TENET」である。
ムービーオンでは、MX4Dでも上映中!
必見の一作である。