試合の途中、フッと天を仰いだ。
お互いが、必死に戦っている両チーム。
息もつけないくらい緊迫した第4クォーターと延長戦。
一方で、何か歯車が狂い出していたような気がした。
自分たちが、作ろうと思ったチームとは、どんなチームだったのだろうか?
多くのブースターやファンの方々と、一緒に戦っている自分の脳裏に、浮かんでは消えた。
選手達と同じような気持ちで、一点でも勝つために必死に応援している。
しかし、点数が競ればせるほど、ちょっとしたミスや、ジャッジの判定に、イライラしていた気がする。
10月8日(日)、前日と同じライジングゼファー福岡との第2戦目。
この日も、2日続けて2000人を超えるブースターやファンの皆さんが、来場してくださった。
心より感謝である。
第1クォーターは、山形ワイヴァンズが23点、ライジングゼファー福岡が9点。
圧倒的に山形ワイヴァンズ有利で試合が始まった。
昨日の試合とはまるで違う。
ライジングゼファー福岡は、昨年B1に所属していた選手が複数いる。
さらに、外国人の帰化選手もいるアドバンテージがあるし、エリック・ジェイコブセンはNBAのサマーリーグ出身。
西地区優勝候補の、そもそも強いチームである。
そのチームと十分に渡り合える力が、今のパスラボ山形ワイヴァンズにはあると思うのだ。
東北アーリーカップでは、仙台89ERSがゲガの選手が多く不十分であったにせよ、昨年のB1チームから勝てたパスラボ山形ワイヴァンズの力。
点数が競ってくると、当然ディフェンスを厳しくなり、両チームともエキサイトしてくる。
これは、両チームとも本気だから仕方がない。
本気のぶつかり合いだからこそ、その必死さが感動にも繋がる。
しかし、そういう時に限り、熱くなっているので、無意識にファールが多くなる。
そして、ジャッジにも不満が募る。
特に、今回からは、テクニカルファールの取られ方が変わった。
まだ、チームもファンも、そのテクニカル(アンスポーツマン)ファールのボーダーラインが、まだまだ分からない。
それが、なおさらのフラストレーションに繋がっていく。
ジャッジに対しての不満も、選手自身やチームメイトのプレイに対する不満も、厳しい試合なら、なおのこと大きくなる。
しかし、そこの自分の呪縛的な怒りや不満を爆発させず、どう切り替えられるかが、とても重要であり、一流のプロになれるかの試金石であると思うのだ。
バンビシャス奈良との2戦目も、勝てた試合だった。
「怒りとイライラに自滅した」と、チームのみんなに伝え、冷静にクールになることを話した。
昨日の試合も延長までいき、5分間の延長戦でも6点差まで離しておきながら、最期は福岡84点、山形81点で敗れた。
勝てる試合を落とした。
その試合を決定づけたのが、テクニカルファールだった。
だからこそ、立ち止まって考えなければならない。
テクニカルファールの数が、昨日の試合は、山形ワイヴァンズだけが5回もあった。
相手チームにも、チームメイトにも、レフリーにも、リスペクトをするチーム。
スポーツマンシップにのっとり、フェアーな戦い方をするチーム。
みんなが、楽しんでバスケットを楽しみ、プロのプレイの魅力を輝かせるチーム。
そして、ファンや次世代の子供達に、夢や希望を与えるチーム。
自分を含めて、最初にパスラボ山形ワイヴァンズを作った時の初心に返るべきなのだ。
ジョセフ・クックエグゼクティブコーチも、「ウイ・イズ・グレーター・ザン・ミー」とスローガンを掲げた。
「自分よりもチームの為に!」「皆んなの力が合わされば1人より強い!」ということ。
その思いと、少しずつズレてきているような気がする。
もう一度、しっかり考えて、プロチームとして恥ずかしくない、楽しく笑顔で試合が終われる試合をやりたいと、心から思うのである。
自分が一番熱くなっていたのかもしれない。
反省しきりである。