Quantcast
Channel: 約束の地へ…Love&Peace
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4774

喫茶「白十字」…山形の街中で、時間がゆっくり流れている場所。

$
0
0

3月3日(木)、山形のシネマ通りにある、NANA-BEANS隣りの「喫茶・白十字」に伺った。


先日、「白十字」には、ダイバーシティメディアが制作を担当したBSの新番組の収録でお邪魔したのだ。


芥川賞受賞作家の又吉直樹さんが、東北の町々を訪れる番組である。




実は、「白十字」を経営なさっている93歳の山崎恵子さんは、自分の父親と親しく、父が山形市長に就任した際も、よくこの「白十字」に来ていたそうだ。


恵子さんの娘さんのご主人は、父の秘書として働いていた。

当時、自分はまだ大学生で、いろんな事を教えていただき、4歳上の彼が、とても大人に見えていた。


自分は、その奥さんである娘さんを、その頃から知っていた。


父の秘書を辞めNHKに就職してからは、ほとんどお会いしていない。

ご主人は今も東京のNHK放送センターに努めており、東京にいるそうだ。


数年前に、奥さんだけが山形戻り、お母さんを支えている。




幾重にも重なるご縁深い場所なのに、これまで一度も訪れなかった不義理。


ずっと、「行こう行こう」と思っていたが、やっとこの日、「先日の収録の御礼」として、お邪魔することができたのである。




「ご無沙汰しています。」と、店内へ。

山崎恵子さんと娘さんがいらっしゃった。


「あら、和文くん?」と娘さん。

山崎恵子さんは、「お父さんとそっくり。」


その後、近況報告や前述のお話をお聞きした。




「これ、ミモザの花。」


「東京の自宅の庭に咲いているのを、主人が切って送ってくれたの。」


3月8日は、世界女性デーで、ミモザの花を女性に贈るとのこと。


「なんて、ご主人は素敵なんだろう!相変わらずカッコいいですね!」と自分。


カウンターの奥には、又吉直樹さんのサインが…。


改めて、先日の収録の御礼をする。




番組では使ってないが、又吉さんが、この店の本棚で見つけた「火花」の本。


それを手に取った又吉さん。

「これ書いたの俺」


93歳の山崎恵子さんは読書家で、又吉さんの書いた「火花」を読まれていて、又吉さんのことを知っていたこと…そこに又吉さんが来たこと…これは奇跡だと思ったのである。


このエピソードは、ずっと語り継いでいってほしい。

そんな事を、山崎恵子さんと娘さんと話す。




店の中は、まるで、七日町の街並みの博物館。


七日町の「絵と額縁」が飾ってある。


とても素敵で、永遠の時が流れているような錯覚すら覚えるのだ。



この日飲んだコーヒーは、格別であった。


次は、名物のカレーを食べに来ようと思った。


ちなみに、ネットで「白十字」の歴史を調べてみると、創業は約50年前の1973年である。


満州で暮らしていた山崎恵子さんと旦那さん。

生きて日本に帰ることができたなら、「白十字」という喫茶店をやりたいとの願いが叶いオープンしたらしい。

旦那さんが亡くなってからは、お一人で切り盛りされていたとのこと。


まだまだお元気な山崎恵子さん。

聡明で温かいおばあちゃんである。


益々のご活躍を祈念いたします。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4774

Trending Articles