「るろうに剣心・最終章 THE BEGINNING」
大抒情詩、5つのるろうに剣心シリーズの最後を飾る映画であるが、実はこの映画が、すべての始まりなのである。
東日本大震災の翌2012年に公開された「るろうに剣心」
大友啓史監督は、「龍馬伝」をNHKで製作した後、独立する。
その矢先に、あの未曾有の大惨劇となった東日本大震災が起こる。
大友監督の実家は、岩手県盛岡市。
岩手県は、あの大混乱のど真ん中にあったのだ。
そんな中で、「るろうに剣心」の映画化に邁進する。
「るろうに剣心」も、近代日本の黎明期で、大混乱の中での物語。
平穏な日常は吹っ飛び、いつ世の中がひっくり返るか分からない混沌の中で、生きるか死ぬかさえも誰もが保障できない状態が、幕末から維新の時節であった。
暗殺者の緋村抜刀斎が、何の為に人を斬り続けていたのか、何故、剣を封印し人を斬らなくなっていくのか。
その疑問が、このBEGINNINGの中で解消し、謎が解けるのである。
緋村剣心が愛した女。
その愛の分量が、剣心の中で制御できないくらい膨らみ、これまでの価値観が心の中で覆るのである。
まるで、世の中の価値観がひっくり返るように…。
あまりにも美しすぎる雪代巴。
有村架純演じる、剣心が初めて愛する女性である。
これまで観た、どの有村架純より、儚く美しいと感じた。
ご覧いただければ分かるが、これまでの「るろうに剣心」シリーズとは、まるで違うアプローチを感じるはず。
大友啓史監督の熱量は当然だが、冷静なスキルや演出の素晴らしさに眼を見張るだろう。
映画監督として、こんなに幸せな人は少ないと思う。
結局、5作品が、しっかり、それも繊細に繋がって、大抒情詩となったのである。
ファイナルfinalの意味、ビギニングbeginningの意味、そして、この2つを加えるレゾンデートル。
スターウォーズの様な、日本映画界が世界に誇る、大傑作の誕生である。
「るろうに剣心」を観た人も、まだ知らない人も、必見である。
ここから、始められるのだ。
今回、ムービーオンでは、左側のビギニングbeginningのカタログと、右側のシリーズ全部の纏めたカタログの2つを販売している。
5作品が、カテゴライズされて紹介されている。
ちょっと読めば、2、3ヶ月は、たっぷり楽しめる。
品薄だが、何とか求めて欲しい。
あのシーン、このシーン。
一つの画角のこだわりが、改めて分かる。
それが凄いのだ。
是非、映画を観た後の余韻に浸ってほしい。
「るろうに剣心・最終章」
2作品とも、ムービーオンやまがたで上映中!
(一昨日、秘書室メンバー等と、シアター1で観る)
できれば、シアター1の東北最大級のスクリーンでご覧いただきたい。