山形ワイヴァンズとしては、青森ワッツ戦から中2日で臨んだ福島ファイヤーボンズ戦。
体力的には、コロナ感染からの復帰という、まだまだコンディションが戻っていない状況下での試合である。
しかし、そんな状況でも、山形ワイヴァンズの選手たちのモチベーションは、決して下がってない。
むしろ、上昇しているのだ。
昨シーズンは、B2リーグ中最下位であった。
どんな補強をしても、何をやっても、勝てなかったらのである。
それが、今シーズン、「メイクドラマ」が起きようとしている。
プレーオフ進出が、ぼんやり見えてきたのである。
これまで、山形ワイヴァンズは、NBDLリーグの最後のシーズンに、金澤ヘッドコーチと柏倉ヒデキャプテンが率いて、プレーオフに出場したことがある。
しかし、Bリーグになってからは、もし出場すれば初めてになる。
昨シーズンの状況から考えれば、夢のまた夢の話であった。
ライコビッチの戦略的バスケットボールが、選手たちに浸透し出すにつれ、次第に勝ち星が多くなっていったのである。
そして、いつの間にか、プレーオフ進出に、あと一歩の所まで来たのである。
今日の試合は、キースがとてもいいパフォーマンスを見せ、スクーティーやランスも、キチンと仕事をしてくれた。
ランスにいたっては、完全復活である。
日本人選手たちも、とても活発に動き、終始福島ファイヤーボンズをリードしていた。
結果としては、山形91点、福島73点で、山形の勝利である。
ライコビッチの采配で圧巻だったのは、最終クォーターで外国籍選手をベンチに引っ込め、日本人選手のビッグマン3人を同時に出場させたのである。
上杉、鶴田、弾…190センチ台が3人。
どん底の昨シーズン、忍耐のコロナクラスターなど、チームを維持するだけでも大変だったが、よくぞここまで立て直してくれたと思う。
ライコビッチのバスケットは、やはり面白い。
昨シーズンの最下位も、新型コロナウイルスのクラスターも、その事実を消すことも変えることもできない。
しかし、未来を変えることはできるのだ。
未来を変えるとすれば、たぶん「今」なのだろう。
明日の試合で、「終わらなかった夢」を、手繰り寄せてほしいと思うのである。