昨年から続いた厳しく長い冬。
呼吸するのすら苦しく感じてしまう夜。
ワイヴァンズに関わってくださった皆さんが、同じようなことを感じていたと思っている。
「這い上がれ!」というフラグを抱えて臨んだ後半戦も、なかなか結果はでず、最後は新型コロナウイルス感染拡大により中断。
今シーズン、ライコビッチをヘッドコーチに招聘して、新たな季節を引き寄せようとチーム一丸となって準備をしていた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の中、当初考えていたランスとキースは、入国ができず遅れての合流となった。
ライコビッチ自身が8月末に来日し、2週間の隔離待機を経てチームの指揮をとれたのは9月中旬であった。
開幕まで2週間という時点での合流。
まだまだ、先が見えない五里霧中の状況であった。
そんな中、ライコビッチは「STEP BY STEP」をチームスローガンとして、堅実にピースを揃え、堅実に自分のフィロソフィーである「チームバスケット」を浸透させていったのである。
奈良戦でスクーティーやランスが加わり、前節のキースが参戦。
やっと外国籍選手が整ったのである。
栗原選手の引退や、柳川選手の負傷はあったが、川邊選手の加入など、インプットとアウトプットを繰り返しながらも、理想の形に近づいてきた。
昨日、なかなか新生ワイヴァンズとしてのチームプレーは実現できなかったが、今日は第1クォーターからそれぞれの役割を果たしていた。
ランスのスリーポイントとディフェンス。
スクーティーのセンス溢れるプレー。
その怪物ぶりを見せてくれたキースの深みのあるプレー。
川邊の強みも際立っている。
スターティングメンバーの調子が良い為、これまでタイムシェアができない選手もいたが、今日は12人全員が出場したのである。
中でも、鶴田美勇士選手は、シュートもディフェンスも、しっかり仕事をしていた。
最後のシュートブラックも、存在感を見せたのである。
ユーロリーグのチームバスケットを目指すライコビッチのバスケットフィロソフィー。
一人一人が役割をこなして、点が線になり、線がコートを支配する。
タレント選手に左右されないチームの地力・ポテンシャルで戦うのである。
戦いと愛の国から来た聡明で賢い指揮官である。
11月22日(日)のアースフレンド東京Z戦、山形ワイヴァンズは、89対63の勝利である。
やっと長い冬が明け、春が訪れたと感じた。
プロの試合だから、これからも勝ったり負けたりするとは思うが、「ワクワクする観ていて胸躍る試合」は続けてくれると信じている。
今週末の東地区トップの群馬との戦いは、とても楽しみである。
多くの方々から是非ご来場いただき、新生ワイヴァンズをご覧いただきたい!