圧倒的な輝きと存在感だった。
映画が終わっても、吉高由里子の凛として清々しい瞳は、心から離れない。
不慮の事故で、視力と家族を失った明香里(吉高由里子)。
罪を犯し、キックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)。
タイトルは、ウィリアム・シェイクスピアの不朽の名作「ロミオとジュリエット」の中の、「彼女の目が問いかけている。僕は答えなければ。」から引用された。
観るものの心を揺さぶる。
視力をなくした女と、罪を犯し夢を失った男。
暗闇で生きた2人が、初めて見つけた、ささやかな幸せ。
三木孝浩監督は、「ただ愛し合うだけでなく、犯した罪をめぐる、赦しの物語」と話す。
交通事故、闇社会、格闘家、目が不自由な暮らし、コールセンター、修道院、キンモクセイ。
様々な要素が複雑に繋がって、奥が深いストーリーを醸し出す。
しかし、吉高由里子の周囲は、いつも光が溢れていて、主人公は眩しいくらいの輝きを放つ。
抜ける映像が、印象的な本作。
コロナ禍の今だからこそ、是非、観ていただきたい。
光は、すぐそこにあるのかも知れない。