これまで、平成の名曲をモチーフにした映画は、多くの感動を呼んできた。
「涙そうそう」「ハナミズキ」「冬の華」などなど…。
そして2020年、平成を代表する珠玉の名曲「糸」が、愛と絆の感動の映画となった。
平成10年(1998年)、中島みゆきの35枚目のシングル曲としてリリースされた「糸」
もともとは、中島の知人の結婚を祝して制作された曲であったが、その後、ドラマやCM起用で人気に火がつき、カラオケブームとともに日本中の人に歌われる曲となったのである。
2016年、2017年、2018年と、JASRACカラオケ分配額で、3年連続1位を記録。
120人を超える多くのアーチストがカバーしている。
映画「糸」は、「巡り逢い」をテーマに描く、壮大なスケールのラブストーリー。
平成元年生まれの男女の人生を、平成史の変遷と重ねて描写し、北海道、東京、沖縄、シンガポールなどの各都市の匂いを感じる作品だ。
少年の頃、誰もが感じた、「力のない自分」
「何で自分は非力なんだ、早く大人になりたい!」と何度も思った。
また、出会いによって、明日の自分の考えや思いが変わっていった。
「出会い」がもたらす運命のようなもの。
偶然はなく必然だったと思うこともよくある。
誰もが、そんな自分史と、この映画は、至る所でシンクロするだろう。
自分と同じ歳の天才肌の瀬々敬久監督。
「8年越しの花嫁」や「アントキノイノチ」など、心を鷲掴みにする作品を作り上げる。
タイミング、すれ違い、ニアミス…。
最後は、自らの思いの通り、動くことなのかもしれない。
「糸」を手繰り寄せる人たちへ、心からエールを送りたい。
必ず観て欲しい映画である。
ムービーオンで、上映中☆