2020年7月24日は、東京オリンピックの開会式の予定日だった。
開会式が始まる同時刻、あいにくの雨模様であったが、山形の夜空に花火が打ち上げられ、大輪の花を咲かせたのである。
新型コロナウイルス感染を防ぎ、観覧者の3密を避ける為、開催場所は事前に明らかにせず、告知なしのサプライズで行われた。
山形市では、馬見ヶ崎川の河川敷沿いに、千歳町付近、印役町・円応寺町付近、双月町・緑町付近、プールジャバ付近の4か所で、1ヶ所で約2分程度の花火であった。
同じ日の企画として、全国青年会議所では、来年の東京オリンピックに向けて、今日の7月24日を「あたらしい日本を始める日」と位置付け、同時刻に「はじまりの花火」を全国約120ヶ所でサプライズで打ち上げた。
主催者側は、新型コロナウイルスによる閉塞感や倦怠感を払拭し、前向きな心になって欲しいとの願いを込めた。
事報道機関に、事前に主催者からの取材依頼があり、ダイバーシティメディアとしては、事前告知ができない中、4ヶ所からの生中継を敢行し、「ライブバイキング」で放送することに決めた。
この様子は、明日もリピート放送があり、また、特集をイベントバイキングでも放送予定である。
今日は朝から天気が気になっていたが、やはり予想通り、午後6時過ぎから容赦のない雨が降り、午後8時近くには雨足が強くなる。
傘を差し、歩いて馬見ヶ崎川の河川敷へ。
事前に、町内会長から回覧板が回っていたので、自分が住む小白川町の人々は、ライトアップの桜並木のところに立ち、その時を待っていた。
突然、プールジャバの東側から花火が打ち上げられた。
30年前、須川会場の前は、この馬見ヶ崎川原が山形大花火大会の会場であった。
自分は、大学生であり、この辺一帯の道路にもブルーシートが敷かれ、多くの人々が花火大会を楽しんでいた。
懐かしさが込み上げてきたのだ。
2分程度の花火ではあったが、その間、上を向けた。
そして、心が熱くなった。
山形青年会議は、この活動の流れではなく、むしろ、例年行われてきた山形大花火大会の中止を受けて、新型コロナウイルス退散を願う意味も込めて、独自の試みとなったのである。
たかが2分、されど2分。
準備してくれた方々の思いや願いが、一時、雨を小ぶりにさせ、観ていた方々の心にしっかり届いたと思う。
たぶん、この日は、この街に住む人々にとって、忘れられない一日となるであろう。
青年会議所の方々へは、感謝しかない。
ありがとう。
そして、ご苦労様。