先日の理事会により、B2ライセンスを獲得し、B2リーグ残留が決定したパスラボ山形ワイヴァンズ。
2019-2020シーズンは、スタートから外国人選手のケガが続き、連敗によるヘッドコーチの契約解除など、不甲斐ない悔しいシーズンであった。
やっとの補強により、戦力が整ったのが3月初めである。
しかし、その頃には、新型コロナウイルス感染症が忍び寄り、あっという間に日本中を飲み込む。
Bリーグは、シーズン公式戦やプレイオフを残したまま終焉となったのである。
その後リーグは、コロナ終焉シナリオを検討し、幾つかのシュミレーションを想定する。
企業で言うところの、事業継続計画…BCP( Business continuity planning)である。
新型コロナウイルスをリスクヘッジしながらの予定通りの今年10月開幕の可能性から、最悪はコロナワクチンが普及した後の来年からしか開幕できないシナリオまで、様々なプランを検討している。
ほとんどのスポンサーの方々は、「こういう時こそ支えるから!」と言ってくださり感激ひとしおだが、無観客試合になれば観客収入はゼロである。
クラブ側は、マイナス分を各県の商工業振興基金により5千万から1億円の融資で凌ぐしかないのであるが…。
どの業界も、現状では答えが出ないのが当たり前であるが、もどかしさとストレスが、今、スポーツ界を覆っている。
4月27日(月)、来シーズンのリーグの方向性とクラブの考え方を、選手やチームスタッフへ説明会を開いた。
現在のBリーグの選手契約は6月末日まで。
来シーズンの開幕が決まらなくても、クラブは5月1日まで選手への来シーズンの報酬提示を行い、5月15日までには各選手はどこのチームに所属するかを決めなくてはならない。
コロナ終焉の兆しを見届けてから契約を更新すれば、クラブ側はリスクを回避できるが、選手達は7月から無報酬となる。
そうならないように、来シーズンの開幕の有無が不透明な中でも、当然クラブは選手契約を結ばなければならないのだ。
それがクラブの責任であろう。
そのような難しい局面の為、選手交渉が遅れているクラブもある。
(5月1日が、選手への条件提示の最終日)
パスラボ山形ワイヴァンズの場合、社風が「誠実性・インティグリティー」を重んじる為、いつの時も、選手やチームスタッフへ、良い事も悪い事も曖昧にせず、クラブの方針をキチンと伝える。
フロントもチームスタッフも選手たちも、皆んな現状を理解している。
しかし、理解していても、どこかスッキリしない。
先行き不透明の中、不安や怒りが先行するのは当たり前であろう。
今は、リーグも、クラブも、選手も、皆んなが等しく我慢をして、この難局を乗り越えなければならない。
例年とは違う選手交渉時期の到来。
こんな底知れないカオスの中での選手交渉…。
どちら側も「責任」と「信頼」しか無いと感じたのである。