年末年始は、自宅にてご挨拶を頂くことが多いが、ここ数年、義理堅くも「新年の挨拶」にご家族で顔を見せてくれる方々がいる。
高校を卒業してから約10年の間、F1レーサーを目指し続けた黒田吉隆君である。
彼の夢に向かう熱量は、それこそ「半端なかった!」のである。
初めて会ったのは、まだ、彼が18万歳の時。
日本人で初めて、あのF1チームのレッドブルの練習生として、ヨーロッパの遠征に参加したのだ。
確か当時は、F3からのチャレンジだったと思うが、彼の走りは評判が高く、コーナーへの入り方が素晴らしいと言われていた。
彼の乗るレーシングカーへ、「ケーブルテレビ山形」のロゴを背負ってもらい、彼の出るヨーロッパのレースの模様を、ケーブルテレビ山形の市民チャンネルの深夜枠で放送していた。
彼の夢を追うチカラに魅了されたのであった。
赤いケーブルテレビ山形のロゴマーク。
これが、ヨーロッパの空の下で、孤軍奮闘する彼と共に、戦っていたと思うと、不思議な気持ちになる。
妻と二人での仲人は、人生初めてであったが、なんとか務めさせていただいたのである。
それ以来、奥様の詩織ちゃんと一緒に、お盆と正月には顔を出してくれるのだ。
昨年からは、一人息子と共に、ご挨拶をいただく。
現在、黒田吉高君は、父の会社のSメディカルのエースとして、世界中を駆け巡っている。
まるで、レースツアーのように、山形、東京、アジアと、仕事のフィールドを広げているのだ。
あの頃の、ヨーロッパを一人で戦いながら移動していた日々は、けして無駄ではなかったと、思っているに違いないのだ。
仕事の事を話す彼の熱量は、あの頃と少しも変わっていない。
きっと、今のフィールドで、自分の夢の続きを掴むような気がしている。
これからも、幸せの物語を大切に作っていって欲しいと思うのだ。