朝や夜の空気は、刺さるような痛さの冷たさである。
そこに、暖かい焼き芋を売りに来てくれるのだから、大歓迎なのだ。
車は、昔よりもだいぶコンパクトになったようだ。
その懐かしさが、より嬉しさを増す。
1キロで1000円。
芋の種類は、2種類あるらしい。
結局、それぞれの種類を1キロずつ購入したのである。
左側が「紅はるか」で、右側が「紅あずま」である。
「紅はるか」は、九州一円で収穫され、ねっとりのクリーミーな芋で、これまでの石焼き芋の中では、糖度が50度と高いのだ。
「紅あずま」は、関東一円で収穫され、従来の石焼き芋であり、ホクホク系の代名詞。
糖度は約32度と、上品な味がする。
同じサツマイモでも、こんなに違うのだと驚いたのである。
「紅はるか」は、スイーツで使用されやすい芋でもあり、そのままの甘みを楽しめるようである。
「紅あずま」は、水分が少なく、牛乳やバターと食べると、より美味しいとのこと。
60歳を前にして、初めて知った「石焼き芋」の種類であり、焼き芋を新鮮に感じたのであった。
昔は、チャルメラやおでん、どんどん焼きや焼き栗など、軽トラックに積んで街中を回っており、良く買った記憶がある。
時代と共に、街並みや営みの風景は変化するが、たまには、こんな出会いが、とても嬉しく思えるのである。