真夜中、午前2時過ぎ、ダイバーシティメディアの市民チャンネルをつける。
そこには、今から17年前に、自分たちが思いを込めて制作した番組が流れていた。
そもそも、ケーブルテレビ山形の市民チャンネルのコンセプトは、「スタジオは私たちの街、主役はあなたです」であり、山形市民の息吹や四季の物語を放送しようと考えていた。
「小さいけれど、されど尊い物語」を、街のあちらこちらで探し見つけて、それを撮影して放送する。
そんな、山形の街の放送局を目指してきたのだ。
いろんなことに気がつくことで、きっとみんながこの街を好きになってくれる…そんな思いがある。
大きなニュースや事件は、キー局やネット局の報道番組で放送される。
でも、なかなか地上波では放送しない、小さいけど「価値があるもの」を流したかったのだ。
富神山の登山日記を読む、三沢朋花リポーター。
山形の町の西側にある富神山。
誰もが、気軽に登れる山である。
そこには、とても多くの思いがあった。
どれもこれも大切な思いである。
この場所を訪れる方々から、様々な話を聞く。
関ヶ原の合戦の時、徳川方の直江兼続が、ここから豊臣方の最上義光の山形城を攻めようと陣を張ったが、10日が過ぎても霞が晴れなかった。
だから、霞ヶ城と言われる所以となったとか…。
自分たちの暮らしのすぐ側に、関ヶ原の合戦があった。
富神山の麓に住む中川さんからも話を伺っていた。
山と共に生きてきた人生。
手前味噌だが、なんと素敵で心に残る番組なのだろう…。
17年経っての再放送だが、満足できる番組であった。
当時のディレクターの伊藤浩くんは、既に3児の父である。
三沢朋花リポーターは、今は秘書室長として、会社全体を切り盛りしている。
2人とも、仕事は変わったが、小さな価値を大切にする思いは変わらない。
次に放送されたのが、2005年5月放送…「時代〜城下町の誕生・最上義光がもたらしたもの。
カメラは小林利尚くんである。
この番組も、山形の歴史に残る方々を取り上げ、とても意義ある番組となったのである。