12月1日(土)、ムービーオンやまがたにて、第1回松田優作賞優秀賞受賞作品、「オボの声」の特別上映会が開催された。
齋藤孝監督と、主演の結城貴史が、舞台挨拶をする。
とてもシリアスで、骨太の映画である。
現代社会の様々な場面で目にするシーンを捉えている。
自己実現不全の苦悩やストレスが、制御が効かない暴走を生む。
これまでの結城貴史とは、まるで違う「男」を演じている。
結城自身、山形県は彼のルーツが連なる場所。
彼の系譜の方々が、会場に駆けつけてくれていた。
また、YMF山形国際ムービーフェスティバルの常連である結城だけに、今回の舞台挨拶は、まさに故郷のホームに帰って来たような感じがしたのである。
この映画を成立させる為に、チカラを注いでくれた全ての方へ感謝していた。
特に、齋藤孝監督には、自分の恩人だと話していた。
舞台挨拶の後、会場からの質問を受ける。
お客様からの質問が終わったあと、自分としては、舞台挨拶で初めて質問をする。
監督へは、「何故、食べるシーンが多いのか?食っちゃ寝、食っちゃ寝している意図は?」
…主人公は、どうしようもないヤツで、全てから逃げて来たが、「生きること」からは逃げていない。だから、「食っちゃ寝」しているとのこと。
「今後はどんな映画を撮りたいと思いますか?」
…社会の弱者を描きたい!と、明確であった。
結城貴史君へは、「1番チカラを入れたシーンは?」
…これは、ネタバレになるから、是非映画を観て、考えて欲しい。
映画の深い所まで、話が及んだ舞台挨拶であった。
ムービーオンのコリドールの突き当りにある、オリエンタルカーペット×奥山清行デザイナー作、タペストリー「いなほ」である。
そこにねっ転がる結城貴史を演出した。
ダイバーシティメディアの迎えの、イタリアンの店「Buono ボーノ」にて、さらに映画の話を重ねる。
結城も齋藤監督も、大喜びであった。
自分は、齋藤監督と結城に話す。
「オボの声…自分の心の最も大切なことを、得体の知れない鳴き声として伝えてくれるのではないか?」
「結城貴史の、これからのモノサシになる映画になる!」
そんな話を、場所を変え、午前1時まで語り合ったのである。
ムービーオンやまがたで、絶賛上映中。
お早めにご覧ください!