散り椿….正式名称は、五色八重散り椿。
花弁が一片一片散っていく。
一木に白から紅まで様々に咲き分け艶やかである。
開花時期は、三月下旬から四月中旬。
７８歳の木村大作監督が、美しい時代劇をとりたいとの思いに共感して、多くの名優が集まった。
撮影の美を、日本の美を知り尽くしている木村大作監督の大作が、世界的な評価を受けている。
また、岡田准一の殺陣へのこだわりは凄かった。
この映画の見どころのひとつは、彼の剣さばきであろう。
さらに、お互い四天王と呼ばれた岡田准一演じる瓜生新兵衛と、西島秀俊演じる榊原粂女との撮影陣は、圧巻である。
随所随所に出てくる、木村大作の撮影カット。
余人は、決して取れない深さと質感があり、引き込まれていく。
愛する妻との約束を果たすため、彼は命を賭ける。
耐え忍ぶ冬という季節。
それを超えて、春の椿を見ることができる。
しかし、散り椿の花は、ひとひらずつ散っていく。
散るも覚悟、残るも覚悟。
人生の行く末は、まるで自然界の季節の移ろい。
そんな、古来からの日本的視点から、捉えている物語である。
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