今年度の米国アカデミー最優秀主演女優賞を獲得したミルドレッド役のフランシス・マクドーマンド。
すでに60歳を超えてのパワーは、ある意味で怖いくらいの強さがあるある。
彼女曰く「ミルドレッドは、悲しい時に流す涙がない。彼女にとっては、泣くよりも火炎瓶を投げる方が簡単なの。」
片田舎のさびれた道路に、突然現れた真っ赤な広告看板。
それも、3枚が飾られる。
そこに書いてあるメッセージが、大きな波紋を、小さな町に広がる。
映画の舞台となったミズーリ州は、今、世界中で最も行きたくない場所らしい。
州人口の約83パーセントが白人。
大統領選挙では、2000年以降は、ブッシュ、ブッシュ、マケイン、ロムにー、トランプと、5期連続で共和党の大統領候補を選出している。
まだまだ、人種差別的な考えもあり、黒人を警官が殴る蹴る場所である。
ボードに書かれたメッセージ。
1枚目が、レイプされて死亡
2枚目が、犯人逮捕はまだ?
3枚目が、なぜ?ウィロビー署長
この文言が、いくら娘が被害にあったとしても、過激すぎると村人から非難を受ける。
怒りと愛情を、これくらい強く表現する人はいない。
素晴らしい演技であった。
警察も含めて、なかなか善人や良い人が出てこない映画である。
ある意味、人生の中で、善人や良い人などは関係ないかもしれない。
大切なのは、現実を作る人。
つまり、「問題を解決する」とか、「夢を実現する」とか、結果を出す人なのだと感じた。
考えさせられる一作である。