Quantcast
Channel: 約束の地へ…Love&Peace
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4774

凍りついた心を溶かすには…。

$
0
0

2011年3月11日、午後2時46分。


未曾有の大地震が、東北を襲う。

自分の母親の実家の宮城県女川町出島。

何百年も続いた漁師の町。

母親が産まれ、自分も小さい頃は、夏になると毎年滞在していた大好きな島であった。



{4EFA43A8-0641-44FD-89EB-1B4E5C534524}
津波が来て、島民が山の上に逃げる時に、叔母が町の家々を連写した中の1枚である。



{E14E5465-9A5A-4F0A-AFB4-3ED5AFEEA1D4}
そんなことが起きているとはつゆ知らず、山形市は停電と雪。

車のテレビで、ニュースを見る。


自分はその時、ケーブルテレビ山形の3階の応接室で、斉藤経営企画室長と打ち合わせをしていた。

高橋文夫社長が社長室にいらっしゃり、企画室には、三沢が臨月近くでいて、「床にお尻をつけて座っていろ!」と声をかけた。

一瞬、地震がおさまった時、エレベーターではなく、階段で全社員を会社前の広場に避難させた。

信号も止まり、ケーブルテレビ山形のシステムは、自家発電に切り替える。

停電が復旧した後のメンテナンスの為に、所定の役割を指示し、車で移動する。



{4091D611-46F9-46A4-A100-4EC8B5278F05}
ムービーオンでは、すでにお客様を誘導退避させておったが、場内は停電の為に真っ暗。

電気の施錠の為、こちらも止まり部隊を配置する。

とにかく、食糧や水の、懐中電灯やローソクなど、準備を徹底する。



{DEB1B065-2FE3-4D45-A1F6-982CFA413E57}
母親は仙台市に行っておるが、きっと、彼女のことだから、どこかの体育館に避難しているだろうと、不思議と安心していた。

夕方、一瞬電話が通じ、「必ず迎えに行くから、近くの体育館に、動かずにみんなといて下さい!」といっしゅんで伝えた。

自宅では、弟家族とコンビニ弁当などで、夕食をとる。



{4C112E25-051A-4C06-B981-56EB580C858D}
その後、また、見廻りに出る。

山形県庁は、夜中も電気がついていた。



{5C8649DB-D14C-467A-9707-A4082A4ACE63}
{570511F8-D9F0-4B36-961D-CBA636F42535}
車で移動中、様々な映像が入って来る。

しかし、不気味だったのは、福島第一原発の情報量は少ないが、かなり危険なニュース。



{11B3AB96-A445-4E8C-870E-43B771B7437A}
次の日の新聞は、改めてマグニチュード9、震度7の地震の凄さが、如実に写されていた。



{BBDE3FD0-8CA3-4AB1-BD1D-78F3FF835F7C}
{919253E3-C0AE-4760-B7FD-AD2081499302}
第一報が入って来た。

驚くばかりである。



{16324972-B712-4D5C-9D97-C35BF469E6C1}
{49821ABB-7EAA-46C7-84CF-408E95231BBE}
旧ケーブルテレビ山形のスタッフと、県会議員の弟が、炊き出しを持って仙台市に入る。

おにぎり数百個や飲み物を持っていく。
帰りの車に、母親や、岩手県の女子大生を連れてくる。



{553A0815-01C6-40C5-B87F-87234A993A02}
旧ケーブルテレビ山形スタジオは、オール生中継に切り替え、鈴木淳予アナウンサーが、山形県や山形市、さらには東北各地や企業からの情報、喉痛情報、医療情報をリアルで流す。

ただ、ガソリンや生活用品だけは、一度流したら、そこの店へ視聴者が殺到した為に、放送を控えた。



{261DEF22-937C-4577-B109-25D5C919EDE0}
昨日は、6年前のあの日とは、まるで違う青空が広がっている。

啐啄同機。

雛が、卵の硬い殻を破って産まれて来る時、中の雛がクチバシで殻を突くのと、親鳥が殻を外から突くのが、同機し合って、殻は割れ雛が産まれる事を言う。



{FA362E90-2ECB-45D1-A4E3-B624512194CD}
{67D75830-01E1-4FDE-83BA-D5AF8379E4E8}
{2F6B6170-C148-430B-A882-317AEC900C74}
テレビでは、6年後の同時刻、サイレンが鳴り、みんなが黙祷をする。

でも、あの日あの時に時間が止まり、心が凍りついた人にとっては、この6年という時間の長さは、どうなんだろうと考える。

喪失感が大きすぎる。
周囲の働きだけでは、殻は割れない。

当事者も、一歩踏み出さなければ…。

時間がかかっても、自分達は、繋がっていかなければならないのである。



{38E05D6D-CC4F-4CDF-96DA-1BA739A1527E}
{1E6CE151-05A9-4675-BAEE-35A488E1CB38}
自宅の中は、何も変わっていない。

でも、間違いなく、皆んなは6年間歳をとった。
6年間過ごしたのである。



{A06D67DF-646E-4875-A9B9-5B11FEB0F62A}
人類の生誕からは、ほんの瞬きぐらいの時間。

されど、その瞬きに、刹那があり、真実が宿る。

無常無我、色即是空。

在って無く、無くて在る。
そんな、時空を超えた思いの中で、自分達は生きている。

日常の中に、真実はあるのだろう。

ささやかな願い。

来年も、その次の年も、3月11日は、青空であって欲しい。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4774

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>