先日、映画「殿、利息でござる!」を観た。
今から、250年前の江戸時代に、私財を投げ打って、宿場を救った実在の人物を、ユーモアたっぷりに映画化された作品。
原作は、磯田道史の「無私の日本人」の一編「穀田屋十三郎」
監督は、「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」などのヒット作で話題を呼んだ、中村義洋監督。
主人公は、宿場町の行く末を心配する、造り酒屋の穀田屋十三郎(阿部サダヲ)。
町一番のキレ者の知恵者の茶師、菅原屋篤平治(瑛太)
その他にも、竹内結子、草笛光子、妻夫木聡など、豪華キャストが勢揃いである。
破産寸前の吉岡宿は、現在の宮城県黒川郡大和町吉岡の、上町・中町・下町地区にあった、全長1.2キロメートルほどの旧宿場町。
夜逃げが後を絶たない町を、何とかしなければとの思いで、穀田屋と菅原屋が立ち上がると、多くの店主達が仲間に加わる。
方法は「潘に大金を貸し付け、利息を巻き上げる」という、年貢や伝馬費用を逆に利息で賄うという逆転の発想。
ただし、そんな恐れ多いことが、表に出れば首を跳ねられる。
みんなで「つつしみの掟」を作り、陰徳の心を磨く。
そして、町衆達と、出入司の対峙。
この伊達潘の財政を一手に引き受けている役人から、許可が降りる。
町民達の、勝利である。
伊達潘の殿には、フィギュアスケートの羽生結弦くん。
山崎努演じる父親の意思を継ぎ、店を潰すまで、宿場町へ投資をする浅野屋甚内。
しかし、伊達の殿は、浅野屋を潰してはならぬとの命を下す。
この映画は、お笑い系のユーモラスな映画だと思っていたが、とんでもない!
自らが自らを統治する…デモスとクラシア、つまり、デモクラシーの映画であった。
個人の主体性が、国を動かす。
国家主権ではなく、主権在民という、民主主義の芽生えのような物語であり、江戸時代にも、既に、その兆しが在ったことに驚く!
だから、皆が活き活きしているのだ!
ラストシーンには、我が、山形県興行組合の副理事長で、庄内の「街なかキネマ」の木戸社長が、なんと、竹内結子と競演している。
素晴らしい!
山形県で、こんな素敵な映画が撮影されたことは、嬉しいことである。
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「殿、利息でござる!」は、デモクラシー。
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