この連休中、岩井俊二監督の映画3作品を見た。
20年前に、違う世界を見せつけられた映画があった。
「スワロウテイル」
その時、初めて、岩井俊二の名前を知った。
そして今年、「リップヴァンウィンクルの花嫁」のキャンペーンで、岩井俊二監督と初めて会った。
友人の行定勲監督が、助監督を務めたことも知っていたが、どんな人なんだろうと話してみたら、様々な世界を共有したくなるような、魅力溢れる人であった。
映画「ラブレター」と「スワロウテイル」は観たが、その他の岩井作品は観ていなかったので、この休日中に、「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス」を見た。
さらに、映画「ラブレター」も見返したのである。
本人が遺作にするならこの作品だ…と言わしめた作品。
2001年公開。
14歳の揺れる心。
いじめ、万引き、カツアゲ、援助交際、レイプ、自殺。
子どもから大人になる過程で、自己顕示を、どこでどのようにすればいいのか解らない、嵐のような時代を描いている。
誰もが助けてくれない「孤独」の逃げ場が、リアルではなくバーチャルなネットの中。
リリイ・シュシュのファンサイトに呟く。
何に向かっているかも解らないパッションを「エーテル」と呼び、不確かな自分を、リリイ・シュシュに投影する。
やはり、岩井俊二ワールドは凄かった。
映画「花とアリス」
自分が自分になっていく時期、友情の中で、嘘や裏切りを経験し、そんな自分に傷つき罪悪感にさいなまれる。
クライマックスは、花は彼氏に嘘をついていたことを告白する。
アリスは、内気な自分をオーディションで、得意のバレーを披露する。
変わらぬ日常の生活の中で、二人の一皮剥ける場面が素晴らしかった。
岩井俊二監督のデビュー作品が、「ラブレター」
初めての監督作品ではあるが、それまでCMプランナーや、テレビドラマのディレクターの経験で培った彼独特の世界観を持ち込み、これまでの日本映画のスタンダードを壊していく。
「リップヴァンウィンクルの花嫁」もふくめ、素晴らしいエネルギーを感じる。
もっともっと、様々な話をしてみたい、そんな才能を持っている人である。
次に会う時は、ゆっくり映画談義をしようと話し別れた。
岩井俊二ワールドに、どっぷり浸った休日だった。
↧
岩井俊二監督の3作品。
↧