あるところで、友人K君とT君と会った。
あまりアルコールを飲めない自分の前に、ワインに詳しいK君は、彼が持ってきたワインを4本並べてグラスに注いでくれた。
左から、スペインのワイン、フランスのワイン、アメリカのワイン、イタリアのワインである。
グラスに注がれたワインは、どれも同じに見える。
しかし、飲んでみると、当然であるが、まるで違うものであるのだ。
自分にとって、最高のワインかどうかは、飲んでみないと分からない。
人生も同じかもしれない。
目の前にある無数の別れ道の中から、自分の本能や知識や経験から、全身全霊を使い、自分が最良の道を決定するのだ。
一般的に本来の大人は、進むも、止まるも、退くのも、自分が決定する。
他人に未来を委ねてはいけない…はず。
他人ではなく、自分が決めたからこそ、他者とは違う唯一無二の物語を描けるのだ。
それが、自己実現であると思う。
当然、選択の責任は自分にある。
例えば、仮にイチロー選手が打てなくなったり、矢沢永吉氏が歌えなくなったりしたら、それは友人や知り合い…つまり他者の責任ではない。
自己責任なのである。
自己決定、自己実現、自己責任。
このフランスワインが1番美味しかった。
森羅万象の中で、時間と空間が交差しているトコロに今があり、そこから次の未来を決めていくことこそ、生きていくということなのだろう。
そう考えると、人生は、自分にとっての最高のワインさがしの様なもの…なのかもしれない。
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最高のワインさがし…。
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