1983年12月1日。
当時、ひとりの17歳の少年がデビューした。
まだあどけない彼は、内に秘めた頑なな心を、歌に託す。
アルバムは『十七歳の地図』
シングルは『15の夜』で、衝撃的デビューを果たす。
誰でも体験する、日常のジレンマや葛藤を、ストレートな言葉で表現し、いつしか彼は、カリスマ的アーチストになり、若者達の絶大なる支持を受けることになる。
しかし、ガラスのようにデリケートすぎる彼の心は、いつも闇や影と隣り合わせで、しばらく休業。
1988年、東京ドーム公演から2年半のブランクを経て、『TOUR・1991・BIRTH』で、みごと復活する。
1991年5月20日の横浜アリーナ。
この映像は、昨年ムービーオンでもODSで流した。
その半年後、1992年4月25日、尾崎豊は亡くなる。
享年26歳。
デビューから9年間。
6枚のアルバムと、71の曲を残して、あっという間に駆け抜けていったのである。
幸薄い天才。
この世に神が使わしたカリスマ。
情けない話しだが、自分は、リアルタイムの彼を知らない。
その頃は、社会人になってから、ケーブルテレビテレビ山形設立までの、まさに夜も寝ないで働いていた時期である。
だから、彼を知ったのは、彼が亡くなってからのこと…。
たまたまテレビを見ていたら、彼の歌っている姿が写し出され、その声、そのメロディー、内なる感情を絞り出すステージングに、矢沢永吉の次を担う人が出てきたと思った直後に、既にこの世にはいないことを知ったのである。
それから、彼の本や関係者の本、映像や楽曲を、ほとんどインプットしたのであるが、彼の側に、彼を導く人がいなかったことが、悔しかった。
ちょうど今月でデビュー30年となった。
彼の熱さや葛藤を、また、感じてみたい。
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尾崎豊デビュー30周年
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