約20年前、男達はまだ20代から30代前半の『若き獅子』の集団であった。
何もない、小さな事務所で、大きな夢を、本気で実現できると信じきっていた。
一人一人の机も引き出しもなく、みんなが大きさの違うお菓子箱を引き出しがわりにしていた。
『山形を、より良くしたい』
『みんなを、幸せにしたい』
そんな漠然とした思いに、みんなが集まっていた。
メンバーも、入っては辞め、入っては辞めながら、いつの間にか『一騎当千』の精鋭達が残ったのである。
口だけの人間や、自己中心的な人間は、辞めざるをえなくなる…。
みんな同じ約束の地へ向かう、船の乗組員である。
だから、信頼しているし、リスペクトしているのだ。
未来を見つめる目。
未来を切り開く力。
未来を請け負う覚悟。
そんな、情熱的な軍団である。
そして、強く優しい人間達である。
強くあり続けなければ、他者へ優しくなんかできない。
しあわせな世の中を作るためには、強くあり続けなければならない。
男達は、こてんぱんに負け続けた経験がある。
何度も何度も、失敗を繰り返し、踏みつけられた経験がある。
だから、立ち上がり、負けることや失うことを恐れない。
だから、守り生き続けることの尊さを知っている。
知性と情熱。
洗練と野生。
強さと優しさ。
道はまだ半ばである。
物語は、始まったばかり…。
これからが本番。
夢を実現する時が近づいている。
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男達の唄。
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