2011年3月11日午後2時46分、東北地方の太平洋沖で発生した大地震。
あっという間に、私たちから、大切な人や、尊い日常を奪っていった。
あれから、10年が経つ。
ダイバーシティメディアでは、これまで、鈴木淳予アナウンサーが、被災地復興担当ディレクターとなり、現地に何度も足を運び、自らがこの10年間の「復興の軌跡」を取材し、番組として伝えてきた。
今年に入り、彼女と打ち合わせをした際、「この10年間の取材記録をまとめた番組を作り、3月11日に放送しよう」となり、この日を迎えたのだ。
今回は、自分が久しぶりに番組制作の総指揮をとり、制作局で撮影してきた素材や、これまで放送してきた番組などから、10年の「時間の経過」にスポットをあて、「未来に続く番組」を作ろうとのコンセプトがあったのである。
カメラは、鈴木皓大部長と伊藤浩部長。
秘書室から、松田次長と後藤課長も加わる。
ケーブルテレビ山形時代は、地域情報番組「バイキングステーション」など、毎週、全員で番組を制作していた。
2時間のトーク番組などは、毎月、夜明け近くまで、収録から編集まで行っていた。
自分も、積極的に番組制作のど真ん中におり、制作局と最も長い時間、一緒に過ごしていたのである。
しかし、ダイバーシティメディアとなり、ムービーオンの映画事業や、パスラボ山形ワイヴァンズの運営を行ってからは、制作部門は縮小となり人員も減ってきた為、番組制作も少なくなっていくのである。
自分も、まったくと言っていいほど、スタジオや副調整室(編集卓がある部屋)には、行かなくなった。
さらに、今年は、新型コロナウイルス感染症情報などを、毎日ライブ中継で流した為、他の番組制作は止めざるをえなかった。
だから、全員での収録は、とても珍しく、皆が久しぶりであったのである。
自分も暫くぶりのディレクター椅子に座り、スイッチングと番組総指揮を担当する。
國井サブディレクターのチェック能力は素晴らしく、随所で言い直しなどが入る。
また、鈴木淳予アナウンサーが、ロケ中に現場で感じたコメントなども挟み直す。
横山成美アナウンサーは、実は編集能力も高くなっており、次の編集過程を先読みし、先回りの段取りができるまで成長していた。
定永編集担当兼音響ディレクターが、編集の中心を担う。
音楽やスーパーを入れ、番組は出来上がる。
あの震災からの10年間、ケーブルテレビ山形からダイバーシティメディアと社名は変わっても、追い続けてきた変わらぬテーマがある。
日常を尊び、人と繋がり、今ここにいる感謝、そして地域への愛と明日への希望。
2021年3月11日、ダイバーシティメディアの特別番組「あの日を想う〜東日本大震災から10年」が放送される。
是非、ご覧いただきたい。
尚、三陸ブロードネット、気仙沼ケーブルネットワーク、宮城ケーブルテレビの3局からは、当時の映像強力をいただき、厚く御礼申し上げる。