戦後ニッポンを生き抜く、元気な大人たちのコメディ「グッドバイ」
1948年、太宰治の未完の遺作となった「グッド・バイ」
その頃の日本は、戦後の日本の復興の兆しが少しずつ見え始め、活気に満ちていた時代である。
これまでの神国日本の価値観と新しい民主主義の価値観…パラダイムの大転換の時代。
混沌と混乱が渦巻き、凶悪犯罪も数多く起こった年である。
太宰治の原案は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ脚本・演出の舞台「グッドバイ」など、これまで多くの実写が生まれた。
そして、今回、成島流「グッドバイ」が生まれたのである。
大泉洋演じる田島周二は、文芸誌「小説浪漫」の編集長。
女たらしのダメ男である。
愛人を10人以上も作るが、女性がほっとけない魅力があるらしい。
小池栄子演じる永井キヌ子は、闇市の担ぎ屋。
ガサツで小汚いが、実は美人で元気な女性。
田島から、金で雇われるキヌ子。
偽装夫婦を演じることにより、愛人と手を切っていこうとするが…。
様々な事件が起きるのである。
スクリーンから、戦後当時の、リアルな匂いや温度感が伝わってくる。
これぞ成島監督と改めて感動した。
大泉洋と小池栄子の絡みは、腹を抱えて笑えるに違いない。
太宰治なのに、こんなに面白く笑えるとは、観るまでは思わなかった。
是非、劇場で観てほしい。
ムービーオンにて上映中!