観終わった時、「面白い!」と心から思えた。
視力を失った主人公の、犯人との格闘のストーリーだと思っていたが、実は、ミステリーでありサスペンスであった。
そして、主人公のなつめの再生の物語であったのだ。
主人公の浜中なつめ役は吉岡里帆。
過去の事故で、視力と最愛の弟を失った元女性警察官。
車の接触事故現場で、失明した目で目撃した。
視力は無いが、五感を使い、様々な情報を得て、「女子高生誘拐事件」を疑い出す。
感情を表に出さないスケボー少年の国崎春馬役の高杉真宙。
次第に事件に巻き込まれ、なつめの力になろうとする。
長者町警察署の刑事一課の刑事たち。
最初は、なつめの話をまともに聞かなかったが、次第に力を貸していく。
血の通った温かみのあるヒューマンドラマと、血の凍るようなクールなサスペンス。
それこそ性善説と性悪説…本来であれば、相反するものが、一つとなり描かれる。
物語の流れの中で、息を飲む恐怖と、それに果敢に立ち向かう目が不自由な女性。
そこに、この映画の持つアンビバレンスと、研ぎ澄まされた贅肉がない瞬間を感じるのだ。
是非、劇場で観て欲しい。
ムービーオンにて、上映中⭐️