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Channel: 約束の地へ…Love&Peace
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『風立ちぬ』

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宮崎駿さんの映画と出会ったのは、小学生の時。

当時、母に連れられて、シネマ旭に『東映マンガ祭り…わんわん忠臣蔵』という映画を観に行く。

主人公の犬のロックを、初めて見たのに、何故か懐かしい気持ちと、自分にとってとても大切な存在に感じたのを覚えている。

それから、折に触れ、その映画を探したが、大学4年の時まで再会することは無かった…。

高校生の時出会った『風の谷のナウシカ』は、自然との共生や、自然の怖さ、そして科学技術の行く末のカタチ、人間の勇気が、凄いスケールで描かれていた。

『天空の空ラピュタ』も、夢と現実、自然と科学技術の狭間で、明日を生きようとする意思を感じた。

その後、宮崎駿さんの作品はすべて観たし、スタジオジブリの作品もすべて観た。



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今回の『風立ちぬ』は、それら初期の作品のコンセプト、そして、その後の『となりのトトロ』や『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』など、大ヒットした作品のすべてが凝縮して、この作品に融合している感じがした。



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この映画のテーマは『生きねば。』である。

この作品を手掛け出した頃、宮崎駿さんは、『この映画の時代背景は、関東大震災、世界恐慌、失業、貧困と結核、革命とファシズム、言論弾圧と戦争の時代』と言う。


まさに、今の日本と似ているかもしれない。
東日本大震災があって、右傾化している国、経済破綻などである。

驚いたのは、宮崎さんが、絵コンテを描き終えた翌日に、東日本大震災があった。
つまり、津波や原発の前に、今の時代を先取りしていたと思う。



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この作品の題名『風立ちぬ』は、堀辰雄さんの同名小説に由来するそうだ。
彼は、ポール・ヴァレリーの詩の一節を、『風立ちぬ、いざ生きめやも』と訳したそうだ。



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零戦の設計者の堀越二郎と、菜穂子の偶然の出会い…いや、風のイタズラ?。

その出会いが、それぞれを突き動かす。



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スタジオジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんは、宮崎駿さんを評す。
「戦闘機が大好きで、戦争が大嫌い。宮崎駿は矛盾の人である。人間への絶望と信頼の狭間で、宮さんは生きてきた。」

なるほどと思った。



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この映画と出会えて良かった。

心の中が、愛や夢や勇気で一杯になった。

そして、もう一度観たいと思った。

たぶん伝説の一本になるだろう。


ムービーオンでは、横幅が約18メートルの大スクリーンで上映している。


人としての本質的な『生きる』を、再発見して欲しい。

そして、この映画は、大切な人と見る映画であって欲しい。


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