映画「十二人の死にたい子どもたち」は、原作者の冲方丁と監督の堤幸彦の、それぞれの魅力が化学反応を起こして、最大公約数を引き出したような作品に仕上がった。
見知らぬ12人の未成年たちが、集団安楽死を求めて集まる。
極めてショッキングな題材の「十二人の死にたい子どもたち」は、「天地明察」「マルドゥック・スクランブル」の冲方丁が初めて手がけた現代を舞台にしたサスペンスである。
テレビドラマから映画、舞台となって愛された、レジナルド・ローズの古典的名作「十二人の怒れる男」へのオマージュを感じさせながら、現代を舞台にした密室のサスペンス・エンターテイメント。
ひとりではなく、みんなで死ねると思っていたら、想定外。
13人目の予期せぬ先客がいた…。
しかも、その人は死んでいたのである。
閉鎖された病院の跡地で繰り広げられる感情の交錯。
それぞれが持つ、それぞれの絶望、怒り、不安。
彼らが望んだのは…死。
堤幸彦監督の、演出や緻密に計算された制作意図が、見事である。
素晴らしい作品に仕上がり、観終わった後に、爽快感すら生まれる。
是非、いま、観るべき作品である。
あっという間に、2時間が過ぎる傑作!
ムービーオンで、絶賛上映中。