山形県で、最も世界的に有名な人物のひとりが、エンツォフェラーリのデザインを手がけた、工業デザイナー奥山清行氏。
フェラーリの他にも、ポルシェやマセラティなどの車のデザイン、さらには秋田新幹線や北陸新幹線、山手線やとれいゆ等のJRの新幹線や特別な電車のデザインも手がける。
また、ヤンマーのトラクターは、月面を走るSFの乗り物のような斬新なデザインとした。
モノづくりの山形の老舗企業である、オリエンタルカーペットや天童木工や菊地保寿堂の鋳物とコラボレーションした、「山形工房・カロッツエリア」などを主催した。
シネマコンプレックスの7号「ムービーオンやまがた」のデザイン監修、YMF山形国際ムービーフェスティバルのグランプリトロフィーのデザインもしていただいた。
自分とは同じ学年。
彼は山形大学付属中学から山形東高校、自分は山形第1中学校から山形南高校と、学校は一緒になっていないが、彼が日本に戻ってからは、様々なプロジェクトやコラボレーションを行って来た。
何と言っても、彼のデザイン監修した「ムービーオンやまがた」は、多くのデザイン賞をいただいた。
イタリア人以外では初めてフェラーリをデザインした男、奥山清行氏とエンツォフェラーリの前でのツーショット!
最初に入ったガレージの中には、シボレーコルベット1964年モノ。
「俺たちが4歳の時のものだ!」と言われ、彼は、そこにある車の歴史を、ちゃんと体感して言葉を発していることに改めて驚く。
隣のカバーシートの中には、マセラティが…。
ガレージの壁は、彼のデザインのラフが、貼ってある。
これも、とてもカッコいい!
すでに、彼のデザインワールド、センスと感性の世界に入っている自分がいる。
白い螺旋階段を上って2階へ。
途中、屋内のテニスコートで、テニスのレッスンをしている。
全国的に有名なコーチが指導されている。
そのレッスンの様子を、2階のソファーでゆっくり観るスペースもある。
そして、その隣には、フィットネスマシーンのスペース。
こんな会社というか、工房というか、事務所があるんだ…と、まず驚いた。
その隣に「KEN OKUYAMA」のオフィスがある。
ムービーオンのホワイエにある、ソファーとテーブルの本物がある。
そして、4階は、車の工房。
現在、奥山清行氏は、オーダーされた1人へ世界で1つだけのオンリーカーを作り販売している。
これが「Kode シリーズ」である。
現在進行中で、車の製造が進んでいた。
これまでの、KEN OKUYAMA オリジナルカーが並ぶ。
奥山清行氏の代名詞、エンツォ・フェラーリ。
最初は8000万円程度であったが、現在の値段は約2億5千万円。
海外では約3億5千万円で取引きされているものもあるらしい。
2階のオフィスで、久しぶりに話をするが、彼のテーブルには、彼が手がけたミニカーが並ぶ。
男の子にとっては、夢の国である。
山形の四季の移り変わりが見える窓。
とても、満足している彼の充実感が伝わる。
東京でも、自社ビルを購入し、そちらはデザイン部門。
東京では約50人が働く。
相変わらず、世界中を飛び回り、東京と山形を行ったり来たり。
前日、このフェラーリで、東京から来たそうだ。
この日は土曜日。
長男とお邪魔したが、「2人で何スーツ着ているの?」と奥山氏。
「いや、今日も俺は仕事。息子は結婚披露宴に出席!」と言うと、「俺なんかさ、山形に来た時ぐらいは、車を洗いにそこのガソリンスタンドに行くんだ!だからこんな格好!手も真っ黒でごめん!」
「いや、ガソリンスタンドで、フェラーリを一生懸命1人で洗っている奥山が驚きの画に成る」と笑う。
しばらくぶりに、とっても刺激をもらった時間だった。
近々、またゆっくり話をしようと別れたのであった。