ジャーナリズムとは…?
新聞社の存在理由とは…?
ワシントン・ポストが出した真実の報道…国内世論を生み、ベトナム戦争を終焉させた。
The World of The Post
映画「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」
当時のアメリカの社会状況の中、メリル・ストリーブ演じるワシントン・ポスト社の未亡人で46歳の社主キャサリン・グラハムと、トム・ハンクス演じるワシントン・ポスト編集主幹の下した勇気ある決断は、間違いなく世の中を変えたのである。
ベトナムの真実を語った報告書。
それは、圧倒的な影響力を持つニューヨーク・タイムスがスクープしたのである。
10年も続いたベトナム戦争に、懐疑的なイメージを持っていた民衆に、あっという間に伝播したのである。
友人からも新聞社の社主という能力を疑われていたキャサリン。
未亡人で、4人の子どもの母親として、社会的な立場を明確にすることは、孤独を極める行為であった。
地方紙のひとつに過ぎなかったワシントン・ポスト紙が、ベトナム戦争の真実を報道する。
このことは、アメリカ政府と戦うということ。
その存在意義をかけた賭けに出たのである。
逡巡する取締役に対し、今すぐここから出ていってと、穏やかに伝える。
そして、アメリカ政府との裁判に臨むワシントン・ポストと、ニューヨーク・タイムス。
結果は、報道の自由が勝ったのである。
ペンタゴン・ペーパーズという文書には、20年以上もの間、4つの政権がベトナム戦争について、いかに国民に嘘をついてきたか、それが暴露され、民主主義の根本を問う物語である。
この写真は、実物の写真である。
現実に、巨大な権力に迎合せず、それに向き合う力と、ブレない誇りが眩しかった。
今、日本の内在化している、文書の書き換えや自衛隊日報の隠蔽、さらには福島第一原子力発電所の真実が、いつか明るみに出た時、全ての評価が決まる。
つまり、未来が、今の判断や行動を、検証し評価するのである。
スティーブン・スピルバーグにとっては、穏やかな女性のヒロインを始めて描いた作品と言っても良い作品。
アメリカで、最も勇気がある女性として知られるキャサリン。
スピルバーグは、「今すぐ、この映画を作らなければならないと思った。とにかく夢中になった。」と語っている。
今まで、あまり語られなかった事件に関する感動的なストーリー。
是非、映画館で観て欲しい。