5月27日(土)、ホテルキャッスルにて、新郎・寒河江光春君と、新婦・松本夏樹ちゃんの結婚披露宴にご招待された。
松本夏樹ちゃんは、地元米沢市の高校卒業後すぐに、大好きな映画をいつでも側で感じていたいと、「ムービーオン」に入社したのが2007年の春。
母の実家である山形市の祖父母の家に住み、約4年間ムービーオンやまがたのチケット部に勤務した。
「ローマの休日」が大好きな、松本夏樹。
出会いとは、不思議なものである。
そして、寒河江家は光春君のお母さんの写真を抱いて、また、松本家は夏樹ちゃんのお父さんのマッチャンの写真を抱いて、集まった方々へお礼を言われた。
その間、元来の明るく爽やかな笑顔、お客様への優しさや心くばりが、とても評価となり、同僚達からも信頼を得た女性である。
小さい頃は、お母さんの首に1人、右手に1人、左手に1人と、3人が初美ちゃんにぶら下がっていた。
お母さんから、離れることができない甘えっ子の三姉妹…そんな印象があったので、高校を卒業し、山形で対面した夏樹ちゃんは、凛として見違えていたのである。
松本夏樹は、親戚であるにも関わらず、とても義理堅く、節目節目には、必ずご挨拶に来てくれた。
だから、この日の結婚披露宴も楽しみにしていたのである。
ところが、ご案内をいただいてしばらくして…、
先月の4月22日、夏樹ちゃんの披露宴を、最も楽しみにしていた、父親の松本真治氏が急逝したのである。
自分たちは、以前からマッチャンと呼んでいた。
自分よりも2歳上で、明るく気さくで、誰とも分け隔てなく話してくれる、そんな懐が大きい天真爛漫な人であった。
自分はマッチャンが大好きで、宴会で誰かがポツンとしていると、そこにグラスを持っていき、正面に座り語り出すような、見えない気配り抜群の男だった。
その日も、いつものように晩酌をし、「先に寝るよ」と、いつものような夜。
初ちゃんが寝室に行った時には、ベットから落ちていて、「どうしたの?」と声をかけた時には、すでに天に召されていたとのこと。
本人は、亡くなったことすら知らないくらい、突然の死である。
まだ、夢を見て寝ている感覚かもしれない。
そんなことがあり、この披露宴を挙行するか、ご両家は悩んだらしいが、2人の幸せのためにと、予定通り開催したとのこと。
「ローマの休日」が大好きな、松本夏樹。
その披露宴は、まるで映画館にいるような演出であった。
イントロデュースが映し出され、カウントダウンで、新郎新婦が入場する。
同じテーブルには、当時のムービーオンのスタッフの、遠藤幹子、本多久美子、菅原唯たちがいた。
久しぶりで嬉しくなった。
みんな、元気で働いているらしい。
主賓が自分で、両家を代表しての祝辞も自分1人であった。
光春君とは初めて会ったが、明るく元気で目ヂカラがあり、自分の話をしっかり聞いていた。
聞くところによると、彼も小さい頃にお母さんを亡くし、お父さんが苦労なさって弟さんと2人を育てたらしい。
マッチャンからのバトンを受け取って、夏樹を幸せにさてください!と、話したら、「ハイ!」と、しっかり応えてくれた。
会場は、終始映画音楽が流れ、楽しくも暖かい時間が流れていた。
隣の席の、元ムービーオンスタッフの遠藤幹子が話し出す。
「私は、生まれて来て、一番良いことをしたような気がする。」
実は、光春君と出会った時、ムービーオンの女子で飲みに行っていた時、そこで光春君に、遠藤幹子たちが夏樹を紹介し、無理やりメールアドレスを交換させたらしい。
そこからは、2人の物語なのだが、そのキッカケを作ったのは、遠藤幹子であったとのこと。
8年付き合ってのゴールだそうだ。
出会いとは、不思議なものである。
亡くなったマッチャンの友人で、葬儀の際は、松本家を支えてくれた上泉泰さんと、三姉妹の末っ子。
初めてお会いしたが、素晴らしい方である。
お色直しの後の新郎新婦。
上泉さんと、マッチャンの大学からの友人で鎌倉のサーファー伊藤文雄さん。
親父たちは、涙を何回拭っていただろうか…。
ムービーオンのメンバーと。
今回の余興は、全てVTR。
パソコンの進化を感じる。
そして、寒河江家は光春君のお母さんの写真を抱いて、また、松本家は夏樹ちゃんのお父さんのマッチャンの写真を抱いて、集まった方々へお礼を言われた。
寒河江家のお父さんである稔氏が、「悩んだけど、この結婚披露宴を予定通り行って良かったです!」と話されていた。
素晴らしい、感動的な結婚披露宴だった。
光春君と夏樹ちゃんの、未来に幸多からんことを記念したい!
自分もここで結婚披露宴をしたと、当時のボーイだった方(今は偉い人)から、あの時はありがとうございましたと、挨拶され気がつく。
あの時は、3回に分けての披露宴。
1回目は550人。
2回目も550人。
合計1100人の方から参列していただく。
そして、そこには入れなかった友人なども含め、3回目を行い150人。
当時としては、大結婚披露宴であり、ホテルキャスルの皆さんからは、全ての業務をやめて、貸切で対応してくださったのだ。
そんなことは、とうに忘れていた…。
親父もお袋も、大変だったろうな…と、改めて思う。
結婚式の形態も、変わって来ている。
マッチャンが天国から、笑って見ているだろう。
いろんな思いが込み上げる。
人は、ひとりでは、生きられない。
多くの支えで生きているのである。