東京には、日本一強い男である手塚高弘がいる。
真武産業代表取締役社長で、手塚道場を主宰し、「PRIDE」や「K1」に、多くの門下生を排出している。
物心がついた時には、すでに地球上の霊長類では、「一番強い存在になる」との夢を追いかけ、今も実践している。
彼とは、共通の友人が亡くなったことにより、出会い、親交を深め、今では様々な繋がりを持っている。
今では、自分の弟分の一人である。
彼には様々な逸話があり、「スーパーサイヤ人」を目指す少年の心を持ち、強さの中に優しさを持つ、愛情豊かな人間である。
手塚社長からは、自分の主宰しているYMF山形国際ムービーフェスティバルにも、協力してもらっている。
そんな中、昨年のフェスティバル終了後から、東京で、多くの映画関係者を集め、夕食を共にしたり、飲んだり、一緒に遊んだりしてくれている。
みんなが、なかなか美味しいものが食べれない中、彼がいろいろご馳走してくれているのだ。
自分が応援している役者に、浅野社長の「T アーティスト」に所属している結城貴史がいるが、彼も手塚社長から、よくお世話になっている。
そんな彼等から、「山形に行って、結城の彼女を紹介したい!」と、話があり、とても嬉しく待っていたのだ。
それも、この2ヶ月で、アボイントが2回流れ、中なかなか会えなかったが、この度は、間違いないとのことだった。
老舗料亭「亀松閣」へ連絡をし、「大切な東京の弟分たちがやって来て、彼女を連れてくるらしいから、山形名物の芋煮鍋と、お祝いの料理を出して欲しい!」とオーダーしていた。
もちろん、祝酒も山形の名酒を準備していた。
ホテルも、駅西ワシントンホテルのスイートルームを予約。
そして、紹介を受けたのが、「前チン」という髭面の役者。
「…え?」「結城はそうだったんだ!多様性の時代だから、そういう選択もありか…。」と、半分疑問に思いながらも、「あなたが結城の彼女さん?」と聞いたら…「スイマセン!撮影が急に入ってこれなくなったんです!代役の前チンです!」とのこと。
まぁしょうがない…と思いつつ、「今日は特別メニューを準備したから、前チン君は、スイートルームまで、結城の彼女役をしてね!」との流れになったのである。
亀松閣さんからは、本当に素晴らしい料理を作って頂き、恐縮している。
女将さんや社長にも、お詫びをして、彼女が撮影で来れなくなった旨を話した。
しかし、「前チン」という役者も、なかなか大したものであり、学習院大学卒業で、結城とオダギリジョーと三人コンビで20歳から養成所で一緒だったらしい。
そんな「前チン」は、二次会のパセオでも、彼女役を振る舞ってくれた。
「前チン」こと前川正行。
手塚社長からも、お世話になるが、結城も、前チンも、これから、まだまだ活躍してくれるように、応援していきたい。
と言うことで、弟分たちのおめでたい席は、「おあずけ」となったのである。
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東京の弟分の祝宴のはずが…。
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