映画「Love Letter」「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス」など、話題作をことごとく作っており、独自の世界観が時代のエポックになっている鬼才、岩井俊二監督と、本日4月2日(土)に、お会いした。
ムービーオンの取締役である映画監督の行定勲氏が、その映画製作やカメラワークなど、今までの映画の撮影のセオリーを覆す手法を学ぶために、岩井俊二監督に師事し、助監督をやったことは有名である。
今回は、岩井俊二監督が、原作、脚本を手掛けた「リップヴァンウィンクルの花嫁」の舞台挨拶の為に、ムービーオン山形へ来てくださったのである。
主演の黒木華演じる「皆川七海」は、東京の片隅で、普通に生きていた派遣教諭。
ネットの出会い系サイトで探した男性…ワンクリックで恋人を手に入れる。
そして結婚。
結婚式も、親族の数が少ないから、代理出席を動員する。
綾野剛演ずる「安室行舛」
何でも屋であるが、本人は、それほど悪意を感じていない。
CoCCO演じる「里中真白」
破天荒で個性的で自由な女性。
嘘と希望と愛の物語。
でも…。
嘘の中に真実を感じた。
希望の中に限界を感じた。
それでも、「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」
里中真白は、そう思い続けている。
いったい、自分は何処に向かっているの!…満たされない環境の状態の後には、孤独が顔を出す。
「リップヴァンウィンクル」とは、アメリカの、ワシントン・アーヴィングの短編小説。
酒盛りをして、寝てしまったら、20年が経過していて、町の様子はすっかり変わり、親友たちは年を取り、妻は既に死んでいた。
西洋の浦島太郎である。
嘘と真実、バーチャルとリアル、依存と孤立、死と生。
そんなものが複雑にからみ集まっている。
是非、見逃さずに!
スワロウテイルと同じくらい、自分にとっては新鮮だった。
岩井俊二監督とは、来月中に再会し、映画談義を徹底的にやろうと約束した。
楽しみである。
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映画監督・岩井俊二・リップヴァンウィンクルの花嫁
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